ウイリアムズ FW31
text & illustration by tw
Web掲載日: 2009. 1.20 / 4.22

2009年 1月19日、ウイリアムズの2009年用のマシン、「FW31」が発表された。
写真は、GPUpdate.net等を参照。以下、概観から筆者の私見を記す。



ノーズ先端はかなり幅の広い物となった。これは気流変動に鈍感にする効果があるかもしれない。
フロントウイング中央部にフラップを着けられない規定下だが、
FW31のノーズ先端の高さは低めとなっており、筆者はこの手法に懐疑的だ。

フロントウイングは翼端板で気流を外側へ跳ね飛ばそうというデザインとなっている。
翼端板の内側には小さなフラップを装着しているが、これは僅かだがダウンフォース増量に寄与しそうだ。



FW31の空力面での最大の特徴は、サイドポッド上面に段差をつけた事だ。
これは昨(2008)年に本サイトに掲載している筆者のデザインと同じ考え方だ。
サイドポッド上面は後傾する事により流速が低下し、圧力が上昇する。
サイドポッド側面は低圧域であるので、何も対策を執らなければサイドポッド上面の高圧流は無意味に両端へこぼれてしまう。
それを阻止する為に、サイドポッド上面両端を高くするデザインとしている。

サイドポッド側面の後半は狭く絞り込むデザインとなっている。
これにより後輪へ当たる気流を弱める効果や、サイドポッド側面で車体底面の気流を制御する効果に寄与するだろう。

(ここまでのこのページの最終更新日:2009. 1.20

(2009年 4月22日 更新)

下図は開幕戦で確認できたノーズのスケッチと気流進路の推察イメージ。



ノーズコーン下側にセパレーターが追加された。(上図の黄色い部分で示す)

このセパレーターは、ノーズ下部の気流を左右へ別け、フロント・ウイング・フラップ内側の気流、後流を制御していると考えられる。

そしてセパレーター下面は恐らく上昇カーブを描いてい筈で、セパレーター下方の気流を上方へ吸い上げている筈だ。

尚、ノーズ下側のセパレーターのアイディアは、筆者の方が先に発案(4年半程前)、本サイト上に掲載している。

(ここまでの最新更新日:2009. 4.22
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