「エンジンからドライブシャフトまで滑りゼロの無段変速機構」

考 案 日 :1992年 夏頃
Web公開日:2006. 9.24日

2006/11/08 追記: Aがエンジンの場合、図ではエンジン(A)と発電ユニットは離れているが、
実際にはエンジン(A)の回転軸に発電ユニットを設置する。



筆者が12才(1989年)の時から無段変速機構について考え始め、
3年後の15才(1992年)の夏頃にようやく発案したシステム。
エンジンやモーターのパワーユニットを1つではなく、2つにする事で発想の壁を打ち破った。
そして結果的に、エンジンとモーターとのハイブリッド・システムも可能となった。

遊星ギアについては、遊星歯車機構(出典:フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)や、 小原歯車工業(株) 遊星歯車機構のページ を参照してください。

既存のVベルト式やトコロイド式の無段階変速機では、摩擦で動力を伝達する方式なので、
エンジンからドライブシャフトまでの間に必ず滑り(回転数の損失)が発生しており、
且つ、動力を伝達する為にベルトやローラーに強い圧力を加えているので大きな抵抗が発生している。

それに対し筆者の考案した遊星ギアを用いたシステムでは、
エンジンからドライブシャフトまでに回転数が損失する事はなく、
そして抵抗も歯車の抵抗のみで済む。



「このシステムの変速原理と制御」

 Aがモーターの場合
「通常の停車時」モーター(A)とモーター(B)は回転停止。
「停車時に発電する場合」発電ユニットにより発電し、バッテリーの電力容量を満たしておく。
「発進時」リングギアをリングギア用ブレーキでロックさせた状態(=ギア比固定の状態)で、 モーター(A)の動力でサンギアを駆動させて発進加速する。
(*尚、改良版のシステム(このページの下部に記す)では、[B]の動力も加えて発進加速させる事ができる。)
「変速原理」リングギア固定の状態で車輌を加速させ、モーター(A)が予め設定された回転数に達したら変速を開始する。
変速時にはモーター(A)の回転速度は一定に保ったまま、 モーター(B)がリングギアの回転数を変化させてゆく事で変速する。
「車輌の減速と制御」車速が変速域での減速は、モーター(A)の回転数は一定に保ち、ドライバーの要求する減速度に合わせてモーター(B)の回転数を低下させる制御を行う事で車輌を減速させる。
そして更に車速が低下し、モーター(B)の回転数がゼロとなったら、リングギア用ブレーキをロックさせてギア比を固定する。
ギア比固定域での車輌の減速は、モーター(A)の回転数を低下させる制御を行う事で行う。
「車輌の後退時」リングギアはリングギア用ブレーキでロックさせ(ギア比固定)、 モーター(A)を逆回転させて車輌を後退させる。
(*尚、改良版のシステム(このページの下部に記す)では、[B]の動力も加えて強いトルクで後退させる事ができる。)


 Aがエンジンの場合
「通常の停車時」エンジン(A)とモーター(B)は回転停止。
「停車時に発電する場合」停車時にバッテリーの電力容量を満たす為に、次の方法で発電して充電する。
ABSの油圧回路により駆動輪のブレーキをロックする事でプラネタリーキャリアをロックし、 リングギア用ブレーキは解除しておく。 この状態でエンジン(A)がモーター(B)を駆動する事で発電する。
「発進時」モーター(B)の動力によりエンジン(A)をスタートさせながら車輌を発進させる。
エンジン(A)とモーター(B)の動力によりある程度まで車速が上昇したらリングギアをリングギア用ブレーキでロックさせ(ギア比固定の状態)、エンジン(A)がサンギアを駆動させて車輌を加速させる。
(*尚、改良版のシステム(このページの下部に記す)では、ギア比固定域でも[B]の動力も加えて発進加速させる事ができる。)

2006/11/07 追記: メールで以下の様なご指摘とアドバイスを頂きました。

「エンジン(A)とサンギアの間にクラッチが必要。」(ただし改良版(このページの下部に記す)では、発進にBのモーターも使える為、クラッチは不要。)

「発進時にリングギアをロックさせるのではなく、 モータBを逆回して発進トルクを弱めることで半クラッチのような効果を出し、 トルクが安定したところで徐々にモータの回生使用率を上げて 停止方向のトルクを上げることでエンジン動力を車軸に伝えていく という使い方ならクラッチは不要。」

「変速原理」リングギア固定の状態で車輌を加速させ、エンジン(A)が予め設定された回転数に達したら変速を開始する。
変速時にはエンジン(A)の回転速度は熱効率の良い領域で一定に保ったまま、 モーター(B)がリングギアの回転数を変化させてゆく事で変速する。
「車輌の減速と制御」車速が変速域での減速は、エンジン(A)の回転数は一定に保ち、 ドライバーの要求する減速度に合わせてモーター(B)の回転数を低下させる事で車輌を減速させる。
そして更に車速が低下し、モーター(B)の回転数がゼロとなったら リングギア用ブレーキをロックさせてギア比を固定する。
ギア比固定域での車輌の減速は、エンジン(A)の回転数を低下させる事で行う。
なるべくモーターの回生制動を優先させて車輌を減速させる様に制御し、バッテリーへ充電する。
「車輌の後退時」エンジン(A)の回転を停止した状態で、モーター(B)が逆回転する事で車輌を後退させる。


(Bモーター本体の外周が回転するタイプ)




そして上のシステムの改良アイディア↓

 低速トルクup版 その1→「モーター+モーター式

 低速トルクup版 その2→「エンジン+モーター式

 低速トルクup版 その3→「シフト機構がコンパクトなタイプ

このページの最新更新日: 2019. 1.22火
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